vol.29 株式会社タツミ(39歳・子ども1人・正社員)
vol.29株式会社タツミ(39歳・子ども1人・正社員)
働きたいけれど、どう動き出せばいいのかわからない…
育児と仕事が両立できるのか不安…
足利市にはどんな職場があるの?
そんな悩みを持つママがたくさんいるのではないでしょうか。
あしかがおしごと研究所では、実際に育児と仕事を両立している先輩ママにインタビューをしに行きます。そこで聞いたリアルな声をお届けすることで、悩めるママ達の背中を少しでも押すことができるといいなと思っています。
第29回目の「先輩ママへOG訪問」は、株式会社タツミ(南大町・輸送用機械器具の製造業)に正社員でお勤めのSさんです。
【株式会社タツミ Sさんのプロフィール】
- 年齢
39歳
- 株式会社タツミに勤めての年数
16年5か月
- 家族構成
夫、7歳の子の3人家族
- 仕事内容
購買課(自社にて使用する消耗品の購入先や価格の決定)
Q. なぜこちらの会社に就職しましたか?
A. 地元で就職したかったのと、土日が休みで比較的大きい会社(上場企業)だからです。
Q. お仕事の内容を教えてください。
A. 購買課という部署で、会社で使用する消耗品の購入先や価格を決める仕事です。製造部門で使う刃物、油、手袋などを入手するために様々な商社と交渉しています。たくさんあるものの中から、ただ安いだけではなくより品質の良いものを安定的に購入することを心がけています。
トイレットペーパーや文具にいたるまで、会社で使用するものすべて対応します。ちょうど今は棚卸しの時期ですので忙しいです。
Q. 働いて良かったことは?
A. 約2年前に導入されたフレックス制度のおかげで、就業時間に融通が利くことです。子どもの習い事に間に合うように少し早く退社することができますし、早く帰った分は別の日に働く、というように自分で自由に調整することができます。病院に子どもを連れて行く時や、私用で少し早く帰りたい時にも利用でき非常に助かっています。
また、先輩ママが多い会社なのでいろいろ相談できます。小学校入学準備で算数セットの名前シールを貼るような作業も「わかるわかる。大変だよね~」と話を聞いてもらえて、それだけでも大変なのは自分だけじゃない、と気持ちが楽になりました。
また、フルタイムで仕事をしている分、家にいるときは「子どもと一緒にいるぞ!」と気持ちを切り替えられるのもいいです。
Q. 仕事のやりがいや楽しさを感じられるのはどんな時ですか?
A. 昨年の11月に、15年間所属した営業課から購買課に異動しました。覚えることも多くて大変ですが、今まで関わることのなかった現場や商社の方、協力工場さんなど、人脈が増えたことを楽しく感じています。
Q. ご家族と家事育児の分担はどのようにしていますか?
A. 基本的に食事の準備と洗濯は私、洗い物やお風呂掃除、米とぎ、朝の準備は夫です。それ以外の細かい分担はしていません。その他の家事は、子どもから「指名」がない方やります(笑)。 例えば夕食後、子どもから戦いごっこをしようと主人が「指名」をされたら主人が子どもの相手、指名されなかった私が洗い物をする、というような感じです。夫はもともと実家暮らしだったので家事には疎かったですが、「これをやってほしい」と伝えると何でもやってくれるので助かっています。
Q. お子さんの急な体調不良や、学校行事、長期休みの時にはどうしていますか?
A. 体調不良や学校行事の時は、基本的に私が有給休暇を使って休みます。休みを取りやすい環境なので助かっていますし、夫の職場が家から遠いので、市内に勤務している私のほうが対応しやすい、というのもあります。
平日の放課後と長期休みは学童(放課後児童クラブ)に預けています。
Q. お休みする時、会社の協力体制や他の社員さんとの連携はありますか?
A. 急なお休みの時も「急ぎの案件はやっておきますよ」と同僚の方に声をかけてもらえるので大変助かっています。同じ課の方が小学生のパパたちで、大変な事を理解してくれているのでお言葉に甘えています。
Q. 産休、育休をとるにあたって不安だったことはありますか?
A. 仕事に関しては特に不安はありませんでした。産休育休の制度が整っており、子育て等を理由に退社される方があまりいなく、産休・育休後に職場復帰している先輩ママがたくさんいらっしゃったからです。ただ子どもに対しては、保育園に預けることが「まだこんなに小さいのに、かわいそう…」という気持ちがありました。
Q. 保育園を選ぶ時の決め手は何でしたか?
A. 自宅から近い点です。子どもが体調不良の時にすぐ迎えに行ったり通院できることを一番に考えました。自宅から近い2か所に見学に行った結果、一番近いところに決めました。入ってみたらとても良い保育園でよかったです。
Q. 子育てとの両立で苦労している点はありますか?
A. 平日の放課後と長期休みに学童に子どもを預けているので、子どもに「早くお迎えに来てほしい」と言われると申し訳なく思ってしまいます。でも、「お金をもらうために働いている」ということが小学生になってなんとなく理解できるようになったみたいで、子どもの成長を感じます。
一週間ほどある会社のお盆休みの時は、夏休みの宿題をフォローするのが大変でした。夏休みが終わった時、毎日の学童のお弁当作りと宿題のサポートを「本当によく頑張った!」という達成感がありました。
Q. 日々お忙しいと思いますが、頑張れる理由は何ですか?
A. 会社や職場の方々が、子どもがいる家庭に理解があることです。
それと、子どもが私に甘えてくれるのも小学生いっぱい、あと5年だと思っているので頑張れます!子どもは学校や学童での出来事、お友達のことなどをいろいろ話してくれます。土日は虫とりに出かけたり、テレビや動画を見たりして一緒に過ごす時間を大切にしています。
Q. 忙しい夕食時に工夫していることがありますか?
A. 夕食は帰宅後に作っているため、忙しい時のおかずはお刺身や冷凍食品、スーパーのお惣菜、カット野菜などを活用しています。ただ、具沢山のスープは多めに作るようにして朝食時にも食べられるように工夫しています。また、フルーツやヨーグルトなどのすぐ食べられるものを常備するようにしています。
Q. これから働きたいと思っているママへアドバイスをいただけますか?
A. 適度に手を抜くことだと思います。 掃除をする時間があまりとれなくてほこりが目立つ時もありますが、見て見ぬふりをして、完璧を目指さないようにしています(笑)。今は子どもが1番と割り切って、家事と仕事は「頑張れるときに頑張る!」を心がけています。
[インタビュアー感想]
今回お伺いした株式会社タツミさんは、会社全体が協力的で、とても働きやすい環境だと思いました。産休、育休制度が活用されていて、Sさんだけではなく今までの先輩ママも取得している実績があります。そしてここ数年で、男性社員もフレックス制度やパパ育休制度を利用する方が増えたそうです。前例があると取りやすいと思いました。制度の利用を悩んでいる方には育休中の雇用保険給付金の試算システムがあり、お給料面での不安が拭えるように話を聞いて相談に乗ってくださるそうです。
「自分を見て他の社員の方も制度を利用して、より働きやすい環境になったらいいなと思います。」というSさんは、後に続く女性社員はもとより、これからパパになる男性社員にとっても心強い存在だと感じました。ご自身の経験から、共感や的確なアドバイスができたりするのではないかと思うからです。
会社の休憩時間にはふるさと納税返礼品のちょっと贅沢なお菓子を食べたり、読みたい本を読んだりしているそうです。休む時はきちんと休み、働くときは働くということで、オンとオフを上手に切り替えて時間を使っていらっしゃると思いました。
学卒で入社して勤続16年5か月、正社員としてずっとお仕事を続けてこられたSさん。忙しい時期にもかかわらず、インタビュー中は終始物腰柔らかくとても話やすく、ママ友と話しているようなきさくな方でした。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
【企業情報】
社名:株式会社タツミ
設立:1951年
資本金:7億15百万円
従業員数:299人
住所:栃木県足利市南大町443番地
TEL:0284-71-3131
ホームページ:http://www.tatsumi-ta.co.jp/
インタビュアー:あしかがおしごと研究所協力メンバー鶴巻
掲載の内容は2024年9月現在のものです 。