vol.19 はまやグループ株式会社 (34歳・子ども3人・パート)
働きたいけれど、どう動き出せばいいのかわからない…
育児と仕事が両立できるのか不安…
足利市にはどんな職場があるの?
そんな悩みを持つママがたくさんいるのではないでしょうか。
あしかがおしごと研究所では、実際に育児と仕事を両立している先輩ママにインタビューをしに行きます。そこで聞いたリアルな声をお届けすることで、悩めるママ達の背中を少しでも押すことができるといいなと思っています。
第19回目の「先輩ママへOG訪問」は、はまやグループ株式会社(伊勢南町・介護事業)にパートでお勤めのR.Sさんです。
【はまやグループ株式会社R.Sさんのプロフィール】
- 年齢
34歳
- はまやグループ株式会社に勤めての年数
2年9か月
- 家族構成
夫、7歳(小1)・5歳(年中)・3歳(園児)の子の5人家族
- 職種(仕事内容)
看護職員(バイタルサインの測定、入浴可否の判断、食事介助、排泄介助、衣服等着脱介助、傷・褥瘡の処置、口腔ケア、内服介助、機能訓練補助、利用者の体調・どう過ごしたか、なにをどのくらい食べたかなどの記録、連絡帳作成)
Q. 以前はどんなお仕事をしていましたか?またそのお仕事を辞めたのは何故ですか?
A. 病院で看護師や、行政で臨時採用の保健師をしていました。8時30時から17時15分までのフルタイムで時間的に小さい子2人を育てながらの両立が厳しかったのと、子どものことでの呼び出しも多く、職場に迷惑をかけてしまうので、第3子を妊娠中に退職しました。
Q. こちらの仕事を選んだ理由を教えてください。
A. 子育てしながら働くために、仕事内容よりも土日祝日休み、短時間で働けるということを重視で、第3子(生後5か月)を実母に預けてハローワークで仕事を探しました。 今の会社以外にもクリニック系でいくつか候補はありましたが、土日出勤がありました。はまやグループ株式会社も土曜は営業していますが、面接時に「休んでも大丈夫だよ」と言ってもらえたのでその場で就職が決まりました。
Q. 働いてみてよかったことは?
A. 生活にメリハリが出ました。子どもを預けることによってできる「1人になる時間」と、「大人と接する時間」が自分には必要だなと感じました。子どもが3人いると家にいても気を抜く時間がないし、幼いと会話もまだできないので、働いて大人と話すことが自分にとって良い気分転換になりました。
Q. 介護の現場は初めてとのことですが、実際に働いてみてどうでしたか?
A. 全くの未経験で不安はありましたが、メインの勤務先は一戸建てを使ったデイサービスということもあり、職場というよりアットホームな場所で、スタッフ同士も仲が良いので安心して働いています。
Q. お仕事の内容を教えてください。
A. 看護師だからといって看護の仕事だけをしている訳ではなく、他のスタッフのみんなと一緒にご飯の介助や、体操、お風呂のお手伝いなどいろいろなことをやっています。
利用者さんによって必要なサポートやスケジュールが異なるので一人一人の記録をつけていて、どのように過ごしたか、何を食べたか、お風呂に入ったかなどを連絡帳に書いてご家族の方にお渡ししています。
Q. やりがいや楽しさを感じられるのはどんな時ですか?
A. 「利用者さんの笑顔」や「ありがとうと言ってもらえること」です。必要とされていることも嬉しいです。元々、人と話すのが好きなので利用者さんたちのいろいろなお話を聞くのもすごく好きです。
Q. パートナーやご家族と家事育児の分担はしていますか?
A. 夫は朝早く出勤し、夜遅くに帰ってくるので、平日は基本一人で対応していますが、週末は家事育児を手伝ってくれます。母とは家が近いので、お迎えの時間と習い事の時間がかぶってしまう時は送迎を頼んでいます。一番上の子はお風呂洗いを自分の仕事(お小遣い有)だと思っているので、言わなくても頑張ってやっています。真ん中の子とは一緒に洗濯物を畳んでいます。とても上手に畳めるんですよ。
Q. お子さんの急な体調不良や、学校行事、長期休みの時にはどうしていますか?
A. 体調不良や学校行事の時は、お休みさせて頂いています。長期休みは学童と保育園を利用しています。親の勘で、これから体調が悪くなりそう、明日熱出るかもしれない、って分かるときはその段階で管理者に伝えることもあります。「早めに言ってくれるから早めに対応できる」と言っていただいています。
Q. お休みする時、会社の協力体制やほかの社員さんとの連携はありますか?
A.今私がメインで勤務している事業所は、看護職員が1人いなけれはならないので、他の看護職員に出勤していただいています。その方も子育て経験者で、私の事情を理解してくださっています。その方が急な休みを取る時には私が代わりに出勤することもあり、普段からお互いカバーし合いながら働いているので、あまり気兼ねせずに休むことができます。
Q. 子育てとの両立で苦労している点はありますか?
A. 朝、子どもたちを送るまでと、夕方から家に帰ってきてからの寝るまでの時間が大変です。寝かしつけた後もまだ夜泣きもあるので、なかなか一人の時間はできません。特に、朝は時間との戦いです。一番下の子が今トイレトレーニング中なので家を出る前にトイレをすませて、おむつからパンツに履き替え直すのですが、イヤイヤ期で大変です。月曜日と金曜日はお昼寝布団があるので荷物が多く、保育園の送迎も大変です。逆に職場に来るとホッとします(笑)。
Q. 日々お忙しいと思いますが、頑張れる理由はなんですか?またリフレッシュ方法は?
A. 家族のサポートや理解、子どもたちの笑顔です。ストレスが溜まって「うわー!」となった時には実家に行き、小学生の頃からやっているお琴を無心で弾いてリフレッシュします。
Q. 今後のビジョンがあったら教えてください。
A. もう少し子どもが大きくなったら就業時間を伸ばして働きたいです。
Q.これから働きたいと思っているママへアドバイスをいただけますか?
A.子どもの事が一番かもしれないけど自分を犠牲にしないで、自分の事も大切にしてほしいです。自分のためにも外に出て一人の時間を作ったり、大人と接する時間を作ることが心の余裕にもつながると思います。ママが、イライラしていると家の雰囲気も悪くなります。ママが笑顔でいることで家族関係も良くなる。ママの笑顔のためにも一歩踏み出してほしいです。
[インタビュアー感想]
今回お伺いした「デイサービスかかぼ」さんは二世帯住宅を改装したきれいなお家で、スタッフのみなさんの元気な挨拶と笑顔であふれていました。玄関の壁には利用者さんが指先機能訓練で作ったステキな富士山とウサギの貼り絵が飾られていてまるで友達の家に遊びに来た様な感じでした。介護=忙しそうというイメージでしたが家庭的な雰囲気の中、スタッフの皆さんは楽しそうにやり取りをしながら、テキパキと動いて利用者さんには優しく話しかけていました。
やさしい声掛けで食事を口に運んであげたり、ベッドに連れていってあげたりするR.Sさんに「ありがとう」と伝える利用者さんの様子から、信頼されていることがうかがえます。R.Sさんもおっしゃっていましたが、誰かに必要とされて「ありがとう」と言われるとなんだか心が温かくなるし「ここにいていいんだな」と思いますよね。
出産や育児で仕事から離れてしまったママは、まだ子どもが小さいうちは家にこもりきりになってしまいがちです。家のことをやるのが当たり前になってしまい、感謝されることも、家族以外の大人と話すことも無くなり、気持ちが暗くなることはありませんか?私はありました!外に出て働くということは第二の居場所ができて、仕事の時間も自分の時間になるということなのかな、と思います。
これから働くママへの「自分を犠牲にしないで、自分も大切にする」という言葉がすごく心に沁みました。自分が笑顔でいると周りも笑顔になる。家庭でも職場でも同じことだと思います。ついつい子ども優先の日々になってしまいがちですが「自分のために」まずは一歩踏み出してみようかなと思いました。
【企業情報】
社名:はまやグループ株式会社
設立:2012年
資本金:500万円
従業員数:48人
住所:栃木県足利市伊勢南町7-7
TEL:0284-22-7718
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/y7f/
取材先:デイサービスかかぼ(足利市利保町)
インタビュアー:あしかがおしごと研究所協力メンバー和田千秋
掲載の内容は2023年1月現在のものです