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紙本墨画  足利学校聖像(谷文晁筆)(しほんぼくが  あしかががっこうせいぞう  たにぶんちょうひつ)

あしかががっこうせいぞうのしゃしん
 
寸法      縦 56.5cm
              横 35.5cm
江戸時代
 

足利学校孔子廟の中央に祀られる孔子坐像を、寛政8年(1796)谷文晁(たにぶんちょう)が描いた絵画です。

墨線を使った簡素な描写ですが、のびのびしてなめらかな筆さばきによって、孔子坐像の実像を的確に描いています。

右手には今はない羽扇を持ち、現状との形態差も知ることができます。

画像の右側には、「足利学校聖像写真  寛政丙辰六月写之  文晁」 の落款があります。

谷文晁は、白河藩主松平定信の命を受け『集古十種』(古美術の木版図録集)編纂のために全国各地を訪問しました。

本図は、関西地方に派遣された寛政8年(1796)6月に道すがら立ち寄って描いたもので、6月3日には足利学校において「山水図」も描いており、こちらも寛政期における文晁の特徴をよく示す絵画です。 

足利学校にある木造孔子坐像の姿を的確に表現しかつ、落款によって製作年や足利学校とのゆかりも明確で、さらに『集古十種』編纂との関わりをもつ絵画であり、資料的な価値も高いことから貴重です。

 

※通常非公開となっております

 


掲載日 令和5年2月1日
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