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絹本著色 白鷹図(伝徴宗筆)(けんぽんちゃくしょく しらたかず でんきそうひつ)
寸法 縦 139.7cm
横 51.0cm
中国時代
横 51.0cm
中国時代
背中をこちら側に向けて頭部を右にふりむき、太湖石(たいこせき:中国蘇州付近の穴の多い複雑な形の奇石)の上に立つ白鷹の姿を描いた絵画です。
体の輪郭を細い墨線で描き、羽の一枚一枚は墨と白色の顔料を塗り重ねて立体感を表すよう丁寧に描写しています。
目は、眼球内部を黄褐色に塗り、周りは墨で縁取りしてぼかしを入れ、瞳を墨点で表します。
白鷹が立つ太湖石は、緑青の濃淡で凹凸を表しています。
全体的な暗い色調に白鷹を浮かび上がらせるように描く色使いや白鷹の丁寧な描き方など、中国絵図の特徴を十分に伝えています。
上部には徽宗(きそう:1082-1135、北宋第8代皇帝)の命により何執中(かしつちゅう:徽宗に仕えた官人)が作ったという讃と、徽宗の花押等があります。
しかしながら、徽宗の花押も崩れがあり、構成に似せて描いたものと考えられます。
中国伝来の白鷹図は、室町時代から江戸時代初期にかけて、武家の間で珍重されていました。
その中でも徽宗が描いたとされるものは全国でもニ十点以上が確認されており、上級で貴重なものとして位置づけられています。
本図も比較的丁寧に白鷹を描写した作品ではありますが、徽宗作とするには難しく、やや新しい中国明代(みんだい)のものと考えられますが、中国絵図であることは間違いなく、我が国における中世武家文化の一端を表す貴重な絵画です。
※通常非公開となっております
掲載日 令和5年2月1日
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