五大明王像 附不動明王頭部(ごだいみょうおうぞう つけたりふどうみょうおうとうぶ)
五大明王像
不動明王頭部
不動明王を中心に東に降三世(ごうさんせい)、南に軍荼利(ぐんだり)、西に大威徳(だいいとく)、北に金剛夜叉(こんごうやしゃ)の各明王を配しています。
【不動明王坐像】(中央) 像高 38.0cm
頭上に頂蓮をのせ、弁髪を垂らし両目を見開き、右手に宝剣を執り、左手に捕縄を持ち、胸飾りをつけ火焔光を背に瑟々座(しつしつざ)上に坐しています。
【降三世明王立像】(一番右) 像高 58.0cm
三面八臂(さんめんはっぴ)の忿怒相で胸前の二手は交叉させ、忿怒拳をつくっています。
左足の下に大自在天(だいじざいてん)、右足の下にその妻の鳥摩妃(うまひ)を踏んで、火焔光を背に岩座上に立っています。
【軍荼利明王立像】(一番左) 像高 54.0cm
一面八臂の忿怒相で手足に蛇が巻きついており、火焔光を背に岩座上に立っています。
【大威徳明王立像】(左から2番目) 像高 45.0cm
六面六臂六足の姿で瓔洛(ようらく)にどくろをさげ、牛にのっています。
【金剛夜叉明王立像】(右から2番目) 像高 52.0cm
三面六臂の姿で、手に剣、矢、弓、輪宝、五鈷杵、金剛鈴を持ち、火焔光を背に岩座上の蓮華座に立っています。
【不動明王頭部】総高 24.0cm
巻髪の上に頂蓮(ちょうれん)をのせ、左に弁髪を垂れ、両眼を見開き、右牙を上げ左牙を下げています。
五大明王は彩色よく、荘厳優美であり、頭部は色褪せず彫りの技術も見事です。
不動明王頭部底面の墨書銘から文政12年(1829)の銘が知られ、五大明王の遺例は市内では少なく貴重なものです。
またこの五大明王を作った「朝運」(ちょううん)は武蔵の仏師で、文政11年(1828)に鑁阿寺(ばんなじ)の「足利歴代将軍坐像」の補修や台座を作った仏師としても知られています。
※通常非公開となっております