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誕生釈迦仏立像(たんじょうしゃかぶつりゅうぞう)
像高 14.2cm
中国・明代(みんだい)
誕生仏とは、毎年4月8日、釈迦の誕生を祝う「灌仏会(かんぶつえ)」でご利益を得ようと、甘茶をかける事で良く知られた仏像です。
言い伝えによれば、うまれてすぐに釈迦は7歩あゆんで右手を真上にあげて天を指し、左手で地をさして、「我、一切の天人の中において、一切の人天を利益せん」と獅子吼したと言われています。
本像のつくりは銅による一鋳(いっちゅう)仕上げで、全体に漆箔が施されています。
体格は少し太り気味で、耳たぶが大きく下半身が頭部や上半身にくらべてやや短いなど、いかにも子どもらしい肉体表現が見られ、顔面の肉付けにも微妙な抑揚と柔らかみをもつなど、幼児にしては理知的な表情が伺えます。
また、本像は一般によく知られた誕生仏と比べ、左右の腕の上げ方が逆となっており、珍しい仏像です。
像底部に鉄芯や銅線が確認されるなど、明時代の鋳造技術の一端を知る貴重な作品です。
栃木県内では現在のところ、中国で製作された誕生仏が2躯知られていますが、本像はその内の1躯として貴重な文化財です。
※通常非公開となっております
掲載日 令和5年2月1日
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