日光例幣使短冊
短冊 縦36.0cm、横6.0cm
3枚
江戸時代
川崎町に鎮座する通称川崎天満宮は旧郷社で、創建の年や由来などは判然としませんが、祭神は菅原道真で、例弊使とのかかわりが大変深い神社です。
例幣使とは江戸時代、朝廷のあった京都から日光の東照宮へ参拝する天皇の使用人のご一行のことで、足利はその例幣使が往路として通っていました。
この道筋を「例幣使街道」といいます。
天満宮には紙本の短冊が3枚遺されています。
その短冊にはそれぞれ例弊使である公卿が奉納した和歌が記されています。
一 わが君は 人をかがみと みがくなば
心くもらで 千世もつかへむ
ニ 萬代の はじめと今日を 祈りおく
いま行く末は 神ぞしるらむ
三 幣の使にことしは往来して此宿にいこひければ
行かへり 旅のねがひも 天満る
かみのめぐみを やなだにぞしる 有長
一、ニ、三の筆者及び奉納年月日は次のとおりです。
一:鷲尾前大納言隆純 天保十一年四月(1840)
二:中山宰相中将忠能 天保十三年四月(1842)
三:綾小路宰相有長 天保十四年四月(1843)
この短冊には例幣使である公卿の奉納した和歌が残されていて、天満宮の歴史を知る上でも貴重なものです。
例幣使はこの神社に参拝する習わしがあったといわれています。
※通常非公開となっております