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西場の百観音

ひゃっかんのんのしゃしん

江戸時代

 

西場町地内、通称「観音山」南麓斜面の勧行寺(かんぎょうじ)跡に、石造の観世音菩薩像が100体、南面して3段に整然と並んでいます。

 

これらの像は西国33箇所、坂東33箇所、秩父34箇所の各霊場の観世音菩薩像を勧請して造立されたものです。

 

100体の像は全体にほぼ同じ規模のもので、それぞれに舟形光背をつけ、その像容も良く整っています。

 

また、観世音菩薩像の形態は各霊場の千手、如意輪、十一面、聖、馬頭、准胝(じゅんてい)、不空羂索(ふくうけんさく)、子安の八種の観音像を刻んでいます。

 

造立時期は、台座7基にそれを刻したと推定される紀年銘があり、寛政(かんせい)2年(1790)から同10年(1798)にわたるものとみられます。

 

一部に多少の損壊が見られますが、全体的に保存も良く100体整然と立ち並ぶ状態は偉観であり、西国、坂東、秩父百番の霊場巡礼の功徳を分かち合おうとした勧行寺僧侶の布教姿勢と、それに呼応した村人の信仰の姿を知るうえで、貴重な民俗文化財です。

 


掲載日 令和5年2月1日
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