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足利鳶木遣り
木遣りは、もともと、山から木を切り出し運搬するなど、多人数で力仕事を行う時の掛け声を元にした労働歌の一つです。
江戸時代中期頃には鳶職人の間で、棟上や祝儀、祭礼などで盛んに歌われるようになりました。
足利地方では、江戸時代後期の天保年間(1830年~1844年)の出初式や大きな祭典、あるいは棟上げ式や新築祝いなどでよく歌われ、祝賀の折には纏を振って、木遣りを歌いながら町中を練り歩いたといいます。
足利の木遣りは、江戸木遣りに比べてややテンポが早く、近隣の佐野周辺よりやや遅いという、地域差があります。
日付/内容 | 場所 |
---|---|
1月上旬 消防出初式 | 出初式の会場 |
2月 寒げいこ (見学可、要問い合わせ) | 共同高等産業技術学校 (東砂原後町) |
11月 はしご乗り練習 (見学可、要問い合わせ) | 共同高等産業技術学校 (東砂原後町) |
上棟式(建前)など | それぞれの建物の建築現場 |
冠婚葬祭 ※個人の結婚式に出張して、木遣りで門出をお祝いすることも可能です。 |
それぞれの催事の場 |
足利市民俗芸能大会(3年に一度開催) | 市民プラザ文化ホール |
文化課職員の取材ノート
広報あしかがみ(2020年12月号)の紹介記事に書ききれなかったことを箇条書きで掲載します。
- 足利鳶木遣り保存会の活動
- 会員26人 … ベテラン(70代、経験年数50年!)から若手(30代)まで
- 木遣りと鳶職人は切っても切れない関係にある。もともと鳶工業組合の組合員が木遣りを伝承していた。
昭和48年に市の無形文化財に指定される際に、独立した保存会を設立した。 - ほとんどの会員が鳶職人だが、過去には鳶と無関係の女性が参加していたこともある。
- 興味がある方は、男女・年齢・職業問わず参加することができます。
- 木遣りの練習
- 練習期間 … 2月:寒稽古(1か月間)、11月:はしご乗り練習 ※見学可、要問い合わせ。
- 練習時間 … 午後7時30分頃から始まる。2時間程度練習する。
- 練習場所 … 共同高等産業技術学校(東砂原後町)
- 木遣りには楽譜がないので、口伝で受け継がれている。
稽古では、参加者全員で合唱と同じように、ひとつの木遣りを歌って覚える。 - 出初式で披露される「はしご乗り」「まとい振り」は若鳶会が担当する。
この練習も2月に始まり、11月から12月にかけても行われる。 - 1月上旬の消防出初式が、年の最初の披露の場なので、これを目標に稽古をしていく。
- これまで木遣りが披露された祭事、催し、イベントなど
- 上棟式、新築祝い(今は簡素化されてしまっている…)
- 冠婚葬祭(七五三、結婚式、葬儀、神社の例大祭など)
- 消防出初式(毎年1月上旬)
- ヤングヤング大行進(~平成6年)、足利まつり(平成6年~)
- 橋梁の渡り初め式(葉鹿橋など)
- 文化財防火デー関連行事
- このほか、小学校の地域学習、交換留学生の歓迎会や団体総会などに出張しています。
「式典やお祭りの最後を木遣りで締めると、何となく“決まる”んだよ」(保存会談)
- 演目
- 真鶴(まなづる)…木遣りの最初に歌う。
- 手古(てこ)…「木遣りは手古に始まり、手古に終わる」と言われる。
- 前おき
- 吊掛(つりかけ)
- 五尺手拭(ごしゃくてぬぐい)
- 鎌倉
※この他にも、冠婚葬祭の場で歌うもの、行列になって練り歩く際に歌うものなど、たくさんの種類があります。
こんな写真もありました
~市制40周年、50周年記念パレードでの様子~
足利鳶木遣りの動画
掲載日 令和5年2月1日
更新日 令和5年7月19日
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