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絹本淡彩 春山暁靄図(田崎草雲筆)(けんぽんたんさい しゅんざんぎょうあいず たさきそううんひつ)
縦 120.0 / 横 58.0 明治時代
県指定の「秋山晩暉図」とともに草雲68才の時、第一回内国絵画共進会に出品してフエノロサ(1853~1908)の絶賛を博した「春山暁靄図」と同じ構図のもので、本図は出品作より後年の作とされる。
筑波山の黎明を描いて、暗紫色をおびた暁靄に配する濃墨の群鴉を飛ばして、啞々(ああ)たるその声が聞こえるかと思わせる情趣をただよわせている。
江戸へ舟で向かう途中、取手辺の利根川から見た景色を思い浮かべての作と伝えられるが、はでやかな「秋山晩暉図」と異なり、地味な構想のため、色彩や余白などにも筆者のなみなみならぬ苦心がうかがわれる。
掲載日 令和5年2月1日
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