男女共同参画の用語集
男女共同参画に関する用語には、あまり耳慣れていない言葉が多数存在します。
ここで少しご紹介します。
男女共同参画社会(gender-equal society)
国の新国内行動計画に盛り込まれた理念。男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が対等に、政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいいます。
従来、男女平等社会の実現を目指していたものを、もっと積極的に女性も企画の段階から参画していくという意味を強調し、男女共同参画社会という理念を打ち出したものです。
平成11年6月に、国において「男女共同参画社会基本法」が成立しています。
ジェンダー(gender)
生物学的な性別を示す「セックス」に対して、社会的・文化的につくられた性別を示す概念をいいます。
ジェンダー・バイアス(性別による偏り)
人々の行為や制度において、意識的であれ、作用しているジェンダーに基づく決め付け・偏見と、その結果として生じるジェンダーによる社会的な偏り・偏見をいいます。
ドメスティックバイオレンス(domestic violence)
夫や恋人など親しい関係にある男性から、女性が恒常的に受ける暴力・虐待を指す言葉。
こうした女性に対する暴力は男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題であり、その根絶に向けて努力を続けなければなりません。平成13年4月には、夫・パートナーからの暴力に関し、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成13年法律第31号)」が成立し、同年10月13日(一部については平成14年4月1日)から施行されています。
セクシュアルハラスメント
性差別の具体的な現れとして職場や学校で起きる性的いやがらせを指します。相手の意に反した、性的な言動であり、身体への不必要な接触、性的関係の強要、性的なうわさの流布、衆目に触れる場所へのわいせつな写真の掲示等も含まれます。
リプロダクティブヘルス/ライツ
「性と生殖に関する女性の健康/権利」。「女性の性と生殖に関する健康と権利」の確立にかかわる包括的な考え方をいいます。1994年の国際人口・開発会議において提唱され、今日、個人特に女性の人権の重要な1つとして認識されるにいたっています。その中心課題には、いつ何人子どもを産むか産まないかを選ぶ自由、安全で満足のいく性生活、安全な妊娠・出産、子どもが望まれて健康に生まれ育つこと等が含まれています。
女性のエンパワーメント
女性が政治的、経済的、社会的、文化的なあらゆる場面で、自己決定力と責任をもち、持てる能力を発揮できるよう「力」をつけることを意味します。
ポジティブ・アクション(アファーマティブ・アクション)
過去における社会的構造的な差別によって現在不利益を被っている集団(女性や人種的マイノリティ)に対し、一定の範囲で特別な機会を提供すること等により、実質的な機会均等の実現を目指す暫定的な措置のことをいいます。アメリカやオーストラリアでは主にアファーマティブ・アクションを、ヨーロッパではポジティブ・アクションを用いることが多く、「男女共同参画社会基本法」には、「積極的改善措置」(第2条、第8条等)として法制化されています。
クォータ制
ポジティブ・アクションの手法の1つであり、選挙の候補者や国の審議会等、ある分野に参画すべき女性(または男性)の数や比率を定め、これを強制する割当てのことをいいます。例えば、「男女いずれか一方の委員の数が総数の10分の4未満としない」など。