足利市人権教育・啓発推進行動計画〔第4期計画〕
足利市では、平成15年3月に「足利市人権教育・啓発推進行動計画」を策定し、人権が真に尊重される社会の実現を目指して、人権問題を解決するための諸施策を推進してきました。
しかし、国内的には、いまだに社会的身分等による不当な差別やインターネット、携帯電話を悪用した差別的表現の掲載、特定の国籍や民族を排斥する差別的言動など、様々な人権侵害が発生しており、社会情勢の変化とともに人権問題も多様化しています。
人権尊重の意識を高めることは市政の重要な課題となっていることから、こうした問題の解決を図るため、これまでの実施施策の総合的な見直しを行い、「足利市人権教育・啓発推進行動計画〔第3期計画〕 」を継承・発展させた “第4期計画” を平成28年3月に策定しました。
基本的な考え方
行動計画策定の趣旨
市民一人ひとりが基本的人権を尊重し、お互いの存在や違いを認め合い、支え合い、そして共に生きることのできる社会の形成を目指した、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づく計画として策定し、市民の理解を深めることを目的に継続して実施しています。
行動計画の基本理念と目標
「人権という普遍的文化」を構築することを目的に、あらゆる場と機会を通して、発達段階に応じ、人権尊重の理念に対する理解を深め、体得することができるようにすることを理念とし、効果的な方法で人権教育・啓発を推進することを目標にしています。
推進期間
平成37年度までの10か年としています。
人権意識の高揚を図るための施策に関する基本的事項
あらゆる場を通じた人権教育・啓発の推進
効果的な啓発活動を推進していくために、対象者の発達段階を踏まえた施策に取り組んでいます。
幼稚園・保育所(園)・認定こども園等
- 乳幼児期の成長発達を保障した環境整備と豊かな心を育む保育の充実
学校
- 児童生徒一人ひとりを深く見つめる教育の推進
- 豊かな人間性を育成する教育の推進
家庭
- 学習機会の充実及び情報提供
- 家庭教育及び子育て支援事業の推進
地域社会
- 多様な学習機会の充実
- 人権教育を推進する指導者の養成
企業・団体等の主体的な取り組みへの支援
- 企業内人権教育・啓発等に対する支援
- 労働相談支援体制の充実
指導者の育成
人権に関する地域の良き理解者であり、日常生活において指導的立場で助言できる身近な指導者の育成を図ります。
人権に特に関係する職業従事者に対する人権教育・啓発の推進
市民に大きな影響を与えると考えられる職業従事者に対し、人権教育の充実を図ります。
市職員等
地域や職場で市民や職員の人権を守れるよう行動ができる職員を育成する研修の充実
教職員
正しく人権教育を実施できる研修の推進
社会教育関係職員
指導者としての資質や人権意識の向上を図るための研修の充実
消防職員
人権に関する正しい知識を身に付ける研修の推進
福祉関係者
道徳観や正義感、倫理観の徹底及び人権意識向上のための教育・啓発の要請、支援
人権に関する課題ごとの施策に関する基本的事項
様々な人権課題を効果的に推進していくために重要課題ごとの施策に取り組んでいます。
同和問題
- 人権を尊重する教育の推進
- 市民意識の啓発推進
- 隣保館活動の推進
- 企業等の啓発促進
女性
- 男女(だれも)が対等なパートナーとして尊重し合い参画できるまちづくり
- ワーク・ライフ・バンランスで多様な生き方の選択が可能なまちづくり
- 男女(だれも)が健康に暮らせる安心・安全なまちづくり
- DV(配偶者等からの暴力)の根絶と被害者を守るまちづくり
子ども
- 子どもの人権を尊重する教育・啓発の推進
- 子育て環境づくりの推進
- 児童虐待の防止対策の充実
高齢者
- 高齢社会に対する教育とひとづくり
- 社会参加活動の促進と就業機会の拡大
- 介護予防・自立支援と相談体制の整備
- 介護サービスの基盤整備
- 地域づくりの推進
障がい者
- 特別支援教育の充実及び交流・ふれあいの促進
- 自立と社会参加の促進
- 障がい者にやさしいまちづくりの促進
- 職業的自立の促進
- 権利擁護の促進
外国人
- 教育・啓発の推進
- 在住外国人への支援
HIV感染者・ハンセン病患者及び元患者
- 教育・啓発活動の促進
インターネット
- 教育・啓発活動の推進
- 法務局との連携強化
様々な人権問題
- アイヌの人々
- 刑を終えて出所した人
- 性同一性障がい
- 犯罪被害者等
- 北朝鮮当局によって拉致された被害者等
- 大規模災害に関する人権問題
- その他の課題(同性愛者や両性愛者、ホームレス、えん罪被害など)
人権教育・啓発資料等の整備
発達段階や知識、習熟度に応じた学習教材・啓発資料等の整備に努め、あらゆる場面で人権について学ぶことができる条件の整備を推進しています。
推進体制
行動計画の推進
行動計画の実施にあたっては、人権教育及び人権啓発の総合的かつ効果的な推進を図ることを目的に設置した「足利市人権推進幹事会」を中心に、関係部課相互の緊密な連絡調整を図り、施策の推進に努めています。
国、県、企業・団体等との連携
行政の取り組みだけではなく、国や県、企業・団体等との緊密な連携・協力を図り、主体的な取り組みを支援しています。
行動計画の進行管理と見直し
定期的に進行管理を行い、その結果を適切に公表し、施策の推進に反映します。
また、この行動計画は、新たな人権課題が国の基本計画に組み込まれるなど、国や県の動向及び社会状況の変化を踏まえ、必要に応じて見直します。
この行動計画を基本指針として、すべての人々の人権が尊重され、平和で心豊かな社会を実現するため、皆さまのご協力を得ながら積極的に取り組みを進めていきます。