足利市内小中学校における土壌に含まれる放射性物質量調査の結果
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、学校における放射線量の状況を把握するため、市内小中学校数か所を選定し校庭における放射性物質量の測定を行いました。
1 調査実施日
平成23年5月18日(水曜日)
2 調査方法
調査対象校の校庭中央部から土壌を100~200グラム採取し、専門機関に分析を依頼しました。
測定器:ゲルマニウム半導体測定装置(SEIKO EG&G社製 GEM20P4型)
測定方法:科学技術庁放射能測定マニュアルに準拠
測定時間:1,800秒
3 調査対象校
足利市内小中学校5校
足利市内を5つのエリアに分けて、各エリアごとに調査対象校を抽出しました。
エリア | 調査対象校 | 所在地 |
---|---|---|
中央部 | けやき小学校 | 足利市柳原町861 |
東部 | 富田中学校 | 足利市駒場町359 |
西部 | 葉鹿小学校 | 足利市葉鹿町1-14-2 |
南部 | 御厨小学校 | 足利市福居町19 |
北部 | 北中学校 | 足利市菅田町100 |
4 調査結果
調査対象校において測定結果が、文部科学省で定めた教育施設等の内外での屋外活動を制限すべき1時間あたりの空間放射線量の3.8マイクロシーベルトに比べて極めて低い値であり、通常通りの校庭使用は差し支えないことが確認されました。
エリア | 調査対象校 |
放射性ヨウ素 :ヨウ素131 |
放射性セシウム :セシウム134 |
放射性セシウム :セシウム137 |
放射性セシウム 合計 |
---|---|---|---|---|---|
中央部 | けやき小学校 | 不検出 | 67.4 | 88.0 | 155.4 |
東部 | 富田中学校 | 不検出 | 68.7 | 77.0 | 145.7 |
西部 | 葉鹿小学校 | 不検出 | 67.6 | 71.6 | 139.2 |
南部 | 御厨小学校 | 不検出 | 106.0 | 107.0 | 213.0 |
北部 | 北中学校 | 不検出 | 42.5 | 50.5 | 93.0 |
5 語句の説明
ベクレル
放射線を出している物質を放射性物質といい、放射線を出す能力を表す単位がベクレル(Bq)です。放射能の強さ(Bq)は、放射性物質の量を表すために用いられます。
シーベルト
人の体が放射線を受けた時、その影響の程度を測るものさしとして使われる単位です。
- 1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)
- 1ミリシーベルト(mSv)=1000マイクロシーベルト(μSv)
放射性ヨウ素
放射能をもつヨウ素で、数種類のものがあります。特にヨウ素131(半減期8.06日)は、ウランの核分裂によって生成されます。
放射性セシウム
セシウムの放射性同位体の総称です。代表的なものとして「セシウム134」「セシウム137」があります。ほぼ100パーセントが人工放射性同位体です。原子炉内の核反応による副産物としても生成されます。原子力発電の燃料に使うウランなどが核分裂反応を起こして生成される放射性物質です。
セシウム、ヨウ素とも自然界に多くの同位元素が存在し、大半は放射線を出しません。