平成30(2018)年度足利市「市民力」創出協働事業の実施結果について
平成30(2018)年度に実施した足利市「市民力」創出協働事業(7事業、うち継続事業5)の公開事業報告会を開催しました。団体より、事業の結果や自己評価などについて報告がありました。主な内容は、次のとおりです。
足利市「市民力」創出協働事業
「市民力」創出協働事業は、市が設定するテーマ(課題)に基づき、市民の皆さんが企画した協働事業を募集し、提案した団体と市の協働事業として実施することにより、市民と市がそれぞれの役割を担い合い、互いの特性や能力を発揮し合いながら、「市民力」を活かした市民と行政の協働のまちづくりを進めていくための事業です。
市のテーマ(課題):渡良瀬川を活用した「河川」に親しむための取り組み(新規事業)
提案事業名:わたらせ川で過ごす大人の休日事業
提案団体:わたらせ川利活用研究会
市担当部課:都市建設部 都市計画課
実施結果
河川敷を利用したくなるような環境整備や美化活動を実施し、集客効果の高いキャンプ及びバーベキューイベントを行うことで河川敷での長時間の滞在を促し、より渡良瀬川に親しんでもらうことで渡良瀬川の魅力を再認識し、市民の河川敷利用の向上の一助となりました。
- イベント(キャンプ、BBQ)実施
9/22・23(参加者約100名)、10/27・28(参加者約160名)、11/17・18(参加者約120名) - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
団体はその知識や技術を活かして主に企画運営を、市は関係団体等との調整や周知を担い、足利市の豊かな自然と渡良瀬川の素晴らしさを再認識できるイベントとなりました。
河川利用・イベント実施上の課題の解消を図るとともに、周辺地域の理解と住民や店舗の参加を得ながら、さらに充実した活動が継続されることを期待します。
市のテーマ(課題):対話型鑑賞を学校教育に提案・定着させる事業(新規事業)
提案事業名:美術作品の鑑賞を通じて、「対話」をもとにした学びを学校教育の中に取り入れる取り組み
提案団体:あしかが対話型鑑賞の会
市担当部課:教育委員会事務局 文化課 市立美術館
実施結果
市内の各学校の教職員が「対話型鑑賞」を体験できる研修会や、児童・生徒を対象にした学校内での「対話型鑑賞」及び市立美術館を活用しての「対話型鑑賞」などを実施することで、各学校が「対話型鑑賞」の導入を実現し、児童・生徒がより深い学びを得られるための一助となりました。
- 児童対象の対話型鑑賞
6/20、10/2、11/1、11/6 足利市立富田小学校(4~6年生)
(11/6は、足利市立小学校全22校美術科教諭が視察) - 教職員向け研修会
7/27 足利市立富田小学校 - 対話型鑑賞を教育現場で実践する専門家育成のための講習会
3/22 足利市立美術館(市内及び近隣の教職員・学芸員16名受講) - 委託料 245,380円
選考委員会のコメント
団体が持つ豊富な知識とノウハウを活かし、小学校での授業や「対話型鑑賞」を導入するための教職員向けの研修会等を実施することができました。
今後も市と連携し、市内の学校における「対話型鑑賞」の普及と定着につながるような活動に期待します。
市のテーマ(課題):まちなかの空き家有効活用方策の提案とその実現に向けた試行(継続事業)
提案事業名:まちなか空間有効活用
提案団体:つなぐつむぐ会
市担当部課:総合政策部 企画政策課
実施結果
市街地における未活用の土地建物の現状を把握し、まちなみ見学のイベント実施や空き家の利活用を参加者と共に検討し空き家増加の問題意識の共有を図り、空き家の活用方法の提案をすることで、空き家の利用実現や文化・歴史的価値のある建物を残してまちなかへの人の流れを作り出す一助となりました。
- 空き家調査
建物調査リスト作成 対象85軒(緑町、通1~6丁目) - イベント
7/28・29 「もんぺとカゴと余白と、それからコーヒー」
11/24・25 「まちなか茶園 くぐり門のその先に」 来場者130名
その他、和紙でくるむ家、「ゆきのわ」イベント ほか - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
市街地における空き家の現状把握・活用を団体が機動的に行う一方で、市が空き家の所有者や地域住民との調整に関わることで、協働による調査やイベント等を実施できました。
協働事業により築いた今後の空き家利活用のための基盤を活かし、団体・市と連携し、空き家登録のシステムの構築や更なる空き家の活用等の継続した活動を期待します。
市のテーマ(課題):市民が地域の魅力を発信するための映像制作活動への支援(継続事業)
提案事業名:映像映画制作体験事業
提案団体:特定非営利活動法人コムラボ
市担当部課:政策推進部 映像のまち推進課
実施結果
映像映画制作体験を通じて映像制作全般の流れを学ぶとともに、子ども・若者は足利の良さを見つめ直すことができ、感性やコミュニケーション能力も育まれます。将来的に自分たちで映像制作ができる市民を育て、足利を「映像のまち」へと発展させていく一助となりました。
- 映画映像制作ワークショップ
7/27、8/3、8/10、8/17(全4回)
参加者 制作部門4人、出演部門16人 計20人
2/23 作品上映会 ユナイテッドシネマアシコタウンあしかが
来場者 約130人 - 委託料 335,000円
選考委員会のコメント
専門家による事業を通じ、子どもたちは映像の成り立ちを学び、感性やコミュニケーション能力を高めるとともに、足利市を見つめ直す貴重な体験をすることができました。
財政的に課題があるものの、足利市を「映像のまち」として発展させていくきっかけとなる事業であり、今後もより多くのこどもたちに映像制作に触れる機会を提供できるよう期待します。
市のテーマ(課題):新規店舗オープンに向けてチャレンジする場としての取り組み(継続事業)
提案事業名:いしだたみスタンドアッププロジェクト
提案団体:いしだたみの会
市担当部課:産業観光部 商工振興課
実施結果
中心市街地への新規出店希望者に対し、いしだたみエリアの景観にあった屋台とチャレンジできる場所を提供することで出店のハードルを下げ、自由な発想で企画・運営をしてもらい、出店期間終了後もいずれは足利で開業してもらうことで空き店舗等の活用につなげる一助となりました。
- フライヤーの作成(5,000枚)
- 屋台の増設(2台)
- お試し出店
4、5、6、9、10、11、12月の7回実施、11店舗が出店 - 「足利市学生チャレンジショップ」での活用
高校・専門学校の学生が、菓子や雑貨の販売を実施 - 地区行事での活用
東校地区夏祭りで地区団体が屋台を使い販売等を実施 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
実際に開業または開業準備を進めているという成果が得られるとともに、年間を通した実施等により、屋台(スタンド)の存在が地域に浸透し、活用の幅も広がりました。
商店同士の連携や、地元自治会、学校との連携等、地域の活性化につながっていることから、今後も色々な工夫や手法により屋台を活用し、さらに充実した活動を期待します。
市のテーマ(課題):若者による「産業遺産魅力再発見プロジェクト」(継続事業)
提案事業名:高校生が考える!足利銘仙の魅力再発見と観光PR活動
提案団体:栃木県立足利南高等学校家庭クラブ
市担当部課:産業観光部 観光振興課
実施結果
高校生が家庭科を学んで得た知識や技術を生かして地域の課題に取り組み、足利銘仙の古布から小物などを作製・販売し、多くの人に足利銘仙の良さを知ってもらうことで足利に注目してもらうきっかけづくりを手伝い、観光客の増加と足利の魅力の再確認の一助となりました。
- 「サイクリングマップ」の製作(5,000部)
足利銘仙や産業遺産を紹介するマップを製作・配布 - 観光PRイベント参加
足利銘仙や足利市を周知 - 銘仙小物の配布
「本物の出会い 栃木パスポート」の足利まちなか遊学館来場者特典として銘仙しおりを配布 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
高校生の柔軟な発想により、足利銘仙関連の産業遺産を中心に巡るサイクリングマップを作成することで足利の魅力を再認識し、発信することができました。
連絡調整や広報を担った行政との協働事業による経験を活かし、今後もより幅広い層に足利市の魅力をPRするための様々な展開を期待します。
市のテーマ(課題):草雲美術館の景観及び回遊性向上を推進するための取り組み(新規事業)
提案事業名:ここは京都の庭園?いえ、草雲美術館の庭園です。
提案団体:画聖草雲会
市担当部課:教育委員会事務局 文化課 草雲美術館
実施結果
草雲美術館を白石山房及び庭園と一体化して鑑賞できるよう、敷地内の樹木の剪定や除草により風通しを良くするなど美術館の景観を向上させ、足利公園との連絡通路を設け、回遊性を向上させることにより入場者の満足度を上げ、美術館入場者の増加や足利公園全体の賑わいを取り戻す一助となりました。
- 草雲美術館北部の整備
北出入口の門扉・柵の設置、遊歩道の砂利敷き、説明板の異動、北管理棟の整備、崖に柵を設置 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
団体の発想力、技術力により階段整備や新設遊歩道の設置等ができた一方で、市は崖部分に安全柵を設置するなど、役割分担をして草雲美術館全体の魅力向上を図ることができました。
今後も協働して敷地内の整備や維持管理を継続するとともに、草雲美術館来館者の集客や満足度向上につながる活動を期待します。