平成29(2017)年度足利市「市民力」創出協働事業の実施結果について
平成29年度に実施した足利市「市民力」創出協働事業(8事業、うち継続事業1)の公開事業報告会を開催しました。団体より、事業の結果や自己評価などについて報告がありました。主な内容は、次のとおりです。
足利市「市民力」創出協働事業
「市民力」創出協働事業は、市が設定するテーマ(課題)に基づき、市民の皆さんが企画した協働事業を募集し、提案した団体と市の協働事業として実施することにより、市民と市がそれぞれの役割を担い合い、互いの特性や能力を発揮し合いながら、「市民力」を活かした市民と行政の協働のまちづくりを進めていくための事業です。
市のテーマ(課題):まちなかの空き家有効活用方策の提案とその実現に向けた試行(新規事業)
提案事業名:まちなか空間有効活用
提案団体:つなぐつむぐ会
市担当部課:政策推進部 企画政策課
実施結果
市街地における未活用の土地建物の現状を把握し、まちなみ見学のイベント実施や空き家の利活用を参加者とともに検討し空き家増加の問題意識の共有を図り、空き家の活用方法の提案をすることで、空き家の利用実現や文化・歴史的価値のある建物を残してまちなかへの人の流れを作り出す一助となりました。
- 空き家調査
建物調査リスト作成 対象69軒(巴町、雪輪町、家富町) - イベント
5月3日~5日、11月3日~5日 カフェイベント 来場者 延べ700人
12月3日~5日 ビスクドール展 来場者450人
その他、はなうつわ、古民家でたんけん、和紙でくるむ家 ほか - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
市街地における空き家の現状把握から利活用まで、団体がアイデアやノウハウを発揮する一方、市が自治会への説明や建物所有者への仲介を行うことで、協働して調査やイベント等を実施できました。
空き家の利活用の推進によって、地域のつながりやまちなかへの人の流れを取り戻すためにも、団体と市の役割分担を明確にしながら協働の強みを活かした事業の実施に期待します。
市のテーマ(課題):市民が地域の魅力を発信するための映像制作活動への支援(新規事業)
提案事業名:映像映画制作体験事業
提案団体:特定非営利活動法人コムラボ
市担当部課:政策推進部 映像のまち推進課
実施結果
映像映画制作体験を通じて映像制作全般の流れを学ぶことで、こども・若者の感性・コミュニケーション能力の育成や足利の良さの再確認が図られ、将来的に自分たちで映像制作ができる市民を育て、足利を「映像のまち」へと発展させていく一助となりました。
- 映画映像制作ワークショップ
7月26日、8月2日、8月16日、8月23日(全4回)
参加者 制作部門1人、出演部門9人
2月25日 作品上映会 ユナイテッドシネマアシコタウンあしかが
来場者 約70人 - 委託料 450,000円
選考委員会のコメント
参加したこどもたちは、映像の成り立ちを学び、感性やコミュニケーション能力を高める体験となったとともに、自分たちで制作した映画を通じて足利の魅力を発信できました。
協働によって若年世代に「映像のまち」を意識づけできた事業となりましたが、さらに多くのこどもたちに映像制作に触れる機会を提供し、足利の魅力発信につながるよう期待します。
市のテーマ(課題):外国人留学生の目線で知ってもらう後世に残したい「足利の知られざる宝」の発掘と映像制作(新規事業)
提案事業名:外国人留学生とつくる「足利の宝」映像制作
提案団体:特定非営利活動法人足利まちづくりセンターブァンヌーガ
市担当部課:政策推進部 広報課
実施結果
足利のことをあまり知る機会がない外国人留学生に、足利のまち歩きを通じて隠れた魅力を体験してもらい、外国人留学生とまちで暮らす人との交流により普段は気づかない隠れた魅力や楽しみ方を発見するとともに、市民にその映像を通して改めて足利の魅力を感じてもらう一助となりました。
- 「This is Ashikaga」~足利の知られざる宝~
本編 約7分 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
外国人留学生にまち歩きを通じて足利の文化や魅力を体験してもらい、ユーモラスな映像作品をあし・ナビや動画投稿サイト等を通じて市内外に発信することができました。
「足利の知られざる宝」として市民が見ても興味深い内容になっているため、この映像作品を様々な機会に有効活用することで足利の魅力を発信していけることを期待します。
市のテーマ(課題):フラッと寄れるまちなかを目指して(新規事業)
提案事業名:みんなが集う食のイベント創出事業
提案団体:井草町自治会
市担当部課:生活環境委部 市民生活課
実施結果
まちなか地域の宝である利性院(えんま堂)を中心に、多くの人が参加しやすい「食」をテーマとした交流イベントを開催し、地域住民とまちを盛り上げたいと思う人たちとの交流によって地域のファンを増やし、地域住民の活気と良好なコミュニティを維持し、まちなかの賑わいを創出する一助となりました。
- えんまルシェ
7月29日 来場者 約300人、11月18日 来場者 約500人
利性院(えんま堂)周辺
出店者 若手農業生産者ほか、出店物 地元野菜・加工品ほか - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
えんま堂を核としたマルシェを、自治会を中心に地域住民が自主的に取り組むことで、まちなかの新たな賑わいの創出や地域コミュニティの活性化に寄与するイベントが実施できました。
今後も継続して開催できるよう、収益の確保や人材の充実、他団体との連携を図ることで、地域の魅力が高まり、交流人口が増加することを期待します。
市のテーマ(課題):新規店舗オープンに向けてチャレンジする場としての取り組み(新規事業)
提案事業名:テスト屋台プロジェクト
提案団体:いしだたみの会
市担当部課:産業観光部 商工振興課
実施結果
中心市街地への新規出店希望者に対し、いしだたみエリアの景観にあった屋台とチャレンジできる場所を提供することで出店のハードルを下げ、自由な発想で企画・運営をしてもらい、出店期間終了後もいずれは足利で開業してもらうことで空き店舗等の活用につなげる一助となりました。
- いしだたみ スタンドアッププロジェクト
7月3日、9月13日、2月10日 ワークショップ 参加者 各20人
3月3日 スタンド(屋台)出店
昌平町ポケットパーク
出店者4人(珈琲、ランチボックス、エアープランツ、生花) - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
いしだたみエリアの景観にあったスタンド(屋台)をワークショップを重ねて製作し、新規出店希望者にチャレンジの場を提供することで、イベントでの出店から市内での開業まで実現することができました。
地域コミュニティとしての交流を続けながら若者をはじめとした出店希望者の支援につなげられるよう、スタンドを増やすことなどにより、さらに充実した活動が継続されることを期待します。
市のテーマ(課題):若者による「産業遺産魅力再発見プロジェクト」(新規事業)
提案事業名:高校生が考える!足利銘仙の魅力再発見と観光PR活動
提案団体:栃木県立足利南高等学校家庭クラブ
市担当部課:産業観光部 観光振興課
実施結果
高校生が家庭科を学んで得た知識や技術を生かして地域の課題に取り組み、足利銘仙の古布から小物などを作製・販売し、多くの人に足利銘仙の良さを知ってもらうことで足利に注目してもらうきっかけづくりを手伝い、観光客の増加と足利の魅力の再確認の一助となりました。
- 銘仙小物の製作
銘仙しおりを製作し、「本物の出会い栃木パスポート」の足利まちなか遊学館来場者特典として配布 - ドリップコーヒーの製作
市内企業と足利織姫神社をイメージしたブレンドコーヒーを製作 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
高校生が足利銘仙の知見を深めながら、高校生らしいアイデアと技術を活かした小物製作や市内企業との協働による商品開発が実現し、足利銘仙に新たな魅力を付加して発信することができました。
これまでの成果を踏まえつつ、足利銘仙と産業遺産を関連付けながら、足利銘仙や足利市の新たな魅力発信や観光PR活動が実施されることを期待します。
市のテーマ(課題):草雲美術館の景観及び回遊性向上を推進するための取り組み(新規事業)
提案事業名:ここは京都の庭園?いえ、草雲美術館の庭園です。
提案団体:画聖草雲会
市担当部課:教育委員会事務局 文化課 草雲美術館
実施結果
草雲美術館を白石山房及び庭園と一体化して鑑賞できるよう、敷地内の樹木の伐採・剪定や階段の補修による全体の庭園化や庭園内外の遊歩道・連絡通路の整備を図ることで、美術館及び白石山房入場者の充足度の向上や集客の増加につなげ、足利公園全体の賑わいを取り戻す一助となりました。
- 草雲美術館北部の整備
区域内除草・樹木の剪定、稲荷宮の鳥居の撤去、斜面の階段整備 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
草雲史蹟内の区域について他団体とも協働しながら整備を実施したことにより、良好な景観が生み出され、散策可能な区域も広がり、来場者にも好印象を与えることができました。
敷地内の整備とあわせ、草雲美術館をより多くの人に知ってもらうことに努め、美術館と足利公園の一体的な利活用によって足利市の観光資源の一つとして魅力向上につながることを期待します。
市のテーマ(課題):これからも残していきたい「足利のものづくりの技術」を市民に理解していただくための取組み(継続事業)
提案事業名:職人と親子でものづくり体験
提案団体:足利市建築業組合
市担当部課:産業観光部 商工振興課
実施結果
こどもたちにものづくりの実体験をしてもらうために、親子木工製品工作などを体験するイベントを実施し、こどもたちに足利のものづくりの技術を伝え、創意工夫の経験や達成感を得てもらうことによって将来の製造業を担う人材育成につなげる一助となりました。
- 職人と親子でものづくり体験「プロのどうぐをつかってみよう」
8月27日 競馬場跡地芝生広場日除け施設
踏み台づくり、重量物ころ引き運搬体験、漆喰塗り等体験 ほか
来場者 約2400人 - 委託料 500,000円
選考委員会のコメント
前年度の実績を踏まえ、内容や実施方法・会場等を工夫し、団体と市が役割分担して協働することで、ものづくりの楽しさを多くの参加者に実感してもらい、ものづくり技術の継承につながる事業を実施できました。
次世代に技術を継承していくためにも、イベントとして適切な規模を考えながらノウハウを積み重ね、安全面に充分配慮し継続されることを期待します。