令和4(2022)年度足利市市民活動支援補助金事業の実施結果について
令和4(2022)年度に実施した足利市市民活動支援補助金事業(5事業)の公開事業報告会を開催しました。団体より、事業の結果や自己評価などについて報告がありました。主な内容は、次のとおりです。
足利市市民活動支援補助金(育成支援資金)
市民活動育成支援事業は、補助対象経費の総額で10万円を限度とし、設立後3年以内の団体が行う事業です。
※小見出しは、事業名(団体名)を記載
足利八木節女前Japan(足利八木節女前Japan)
【実施結果】
小学校で親しんだ八木節を中・高生になっても継承することで、八木節が足利由来の芸能であることや魅力を理解し、足利独自の八木節文化をつくることへつなげる一助となりました。
- 楽器の説明や演奏体験、踊り体験を行うワークショップの開催
〔参加者〕33名
- 巡回公演(イベント出演)
〔出演回数〕13回
- 新メンバーの加入8名
- 補助対象事業費 174,811円
- 交付額 100,000円
【選考委員会のコメント】
女性主体のチームで伝統芸能の新たな魅力を創出したパフォーマンスは素晴らしいと感じました。女性社会の先頭に立って、足利の祭りやイベントを盛り上げてもらいたい。
徐々に足利の伝統が世界にも広がって、草の根的にも市民が活気づき利益につながる期待が持てます。
今後は、まだ活動を知らない市民も多いと思いますので、わたらせテレビや新聞等でPRを行うことや、若い世代を育成して、伝統文化が伝承されることを期待します。
豊かな歴史遺産を活かしたまちづくりプロジェクト(足利歴史ミュージアム設立推進協議会)
【実施結果】
長年にわたり市民から要望のある「歴史ミュージアム」の設立に向け運気を高めるとともに、500年以上にわたり歴史の表舞台で活躍した清和源氏の歴史を学び、その評価をすることで市民の理解を深め、歴史と観光のまちづくりにつなげる一助となりました。
- 歴史講座I「足利の宝、鑁阿寺文書の魅力」開催
〔会場〕あしかがフラワークプラザ301号室〔参加者〕71名
- 歴史講座II「足利氏の造寺・造佛」開催
〔会場〕多宝山福厳寺本堂〔参加者〕57名
- 歴史講座III「遺跡から見る足利の中世」開催
〔会場〕義任山吉祥寺本堂〔参加者〕51名
- 足利市立美術館見学〔参加者〕13名
- 栃木県立博物館見学 2回〔参加者〕計12名
- 国立歴史民俗博物館視察〔参加者〕30名
- 補助対象事業費 153,039円
- 交付額 100,000円
【選考委員会のコメント】
歴史講座には多くの市民が参加して、文化財等の価値の再発見につながったと思います。新たなミュージアム建設を目標としていますが、学校さまや大日さまを中心として、既存のまちなかの文化施設を再活性化することで、博物館になり得る視点も考えられます。
建設のためにハードルとなる費用やミュージアムの在り方、建設後のランニングコストの自立化など、行政と一体となった調査・企画会議が必要と考えます。
参加者や主催者の固定化など、どの分野も課題となっています。理解ある歴史の先生とつながり、歴史博物館の必要性をまち全体で動けるよう期待します。
毛野地区合併70年の節目に毛野地区再発見~地域の方々にもっと知ってもらおう~(毛野地区歴史勉強会)
実施結果
毛野地区にある史跡は地元の方々に認知度が低いため、文献や実際に現地を散策する体験を通じて地域の方々に毛野地区の魅力を知ってもらい、毛野地区の再発見の輪を広げていく一助となりました。
- 展示会・研究発表会の開催
〔来場者〕2日間合計196名
〔会場〕毛野公民館
〔展示物〕毛野地区ゆかりの人物に関する展示、毛野地区各町内の文化財の展示など
〔その他〕来場者に令和3年度の作成した「毛野地区文化財マップ」を配布
- 補助対象事業費 25,960円
- 交付額 25,000円
選考委員会のコメント
行政や教育委員会ではなかなか取り上げることのできない部分に光を当てる活動は、地味ですが市民力のもたらすものとして重要で意義があります。
身近な昭和の合併前の旧町村の歴史にスポットを当てたことで、地域住人にとっては新しい発見があり、郷土愛を育むことができたと思います。
若い人への広報・周知がさらに必要であり、若い人が参加しやすい工夫が必要です。若い世代に歴史や文化を伝えていくことは難しいですが、今後の発展を期待します。
足利市市民活動支援補助金(推進支援資金)
市民活動推進支援事業は、補助対象事業費の2分の1以内で50万円を限度とし、設立後3年を超える団体が行う事業です。
遊びのデリバリーOZ~わくわくをみんなに届けたい!~(こどものこと へのへのわ)
【実施結果】
子どもたちが、外遊びを通じ楽しみながら基礎体力や運動能力の向上ができることや、誰もが参加できる遊び場を設け地域住民とをつなげ多世代交流の場が生まれるなど、人との関わりによる子どもの自立へつなげる一助となりました。
- 子どもの遊び場の提供(昔遊びの伝承)7回
- 子どもや保護者の悩みや困りごとヒアリング・支援
○保護者からの相談3件
○子どもからの相談5件
- 補助対象事業費 1,037,090円
- 交付額 500,000円
【選考委員会のコメント】
子どもたちへ遊びの場を提供することは、とても重要なことです。子どもの成長を図る事業として必要と考えます。子どもが外で遊ぶ機会が減少している中、今後も継続して実施してもらいたい事業です。
外遊び、昔遊びという、わくわくを届けながら子どもからも大人からも悩みを聞くという深い部分にも触れていることから、より活発な活動に期待します。
また、少子化やDV、ヤングケアラーの問題を解決していくには、公共だけではなく民間活力を含めた子どもの居場所を考えていくことが必要であるため、継続した活動を期待します。
足利市近代化遺産の保存と活用を考える取り組み(足利の近代化遺産を考える会)
【実施結果】
足利市近代化遺産の保存と活用に向けて、先進地を訪問し近代化遺産の保存・活用の方法を学ぶとともに、第一線で活躍する専門家を招いた講演会を開き、広くその必要性の共有を図り、まちの活性化の一助となりました。
- 近代化遺産バスツアーの開催
〔参加者〕23名
〔視察先〕那須疏水、旧青木家那須別邸、黒川発電所膳棚水路橋、晩翠橋
- 補助対象事業費 97,858円
- 交付額 44,000円
【選考委員会のコメント】
地域の歴史と文化を知る機会は重要であり、次の世代に伝えていくことも重要と考えられます。近代化遺産を保存することで、足利の魅力を発信してください。
足利に残る貴重な三連橋「中橋」の活かし方、逆川と呼ばれた「柳原用水」など、資料提供等の協力を基に、より市民運動の活力を引き出してください。
学生や30歳代までの若年層を活動に取り込むことが、事業成功の鍵であると考えますので、市民へ周知をしながら、足利の近代化遺産の発掘・保存・啓発を期待します。