ベトナム社会主義共和国ザーライ省(クイニョン)への訪問について
1.趣旨
全国的な人口減少に伴い、労働力の確保や経済規模の維持が難しくなるなかで、将来に渡り持続的なまちづくりをしていくためには、外国人材の登用やインバウンド需要の取り込みなどが必要なことから、今後の成長が期待でき、就労系の在留者が多いベトナム社会主義共和国(以下「ベトナム」という。)に注目し、両国地方都市間の交流実現のため関係構築を進めてきました。令和6年にはベトナム中部のクイニョン市(ビンディン省)と代表団の相互の都市往来を実施し、同年11月に「産業、教育、観光・文化等の分野における相互協力に関する覚書」を交わしました。
ベトナム国内の大規模な地方再編や統治体制の刷新に伴い、令和7年7月にクイニョン市はザーライ省に属す1村5区に分割再編されました。このたび、今後の交流の窓口がザーライ省地方政府に引き継がれたことから、10月25日から10月30日の間、市議会、産業、教育、観光・文化、国際交流の代表者と同地を訪問しました。
2.ザーライ省について

ザーライ省は、令和7年7月1日にベトナム地方省・直轄市の再編に伴い、旧ザーライ省と旧ビンディン省が統合して、新たな省として発足しました。
ザーライ省はベトナム中部に位置し、行政面積は約21,576平方キロメートル(ベトナム国内で2番目に広大)、人口は約358万人、135の村級行政区を有します。
省都はクイニョン区にあり、その周辺はベトナム南中部の港湾都市として、政治・経済、文化、科学技術、観光の中心地として発展してきました。
ザーライ省は西部の山間地域から東部の沿岸部までの広大で多様性のある地域で、農業も盛んな省です。
ザーライ省の物流に関しては、西は、ラオスに接し、港湾からは海外輸送も可能です。
インフラ整備に関して、道路網は南北高速道路の完成を目前に控えており、空路に関しては、フーカット空港とプレイク空港の2拠点を有します。フーカット空港では滑走路拡張など機能拡大予定です。
また、歴史的・文化的な史跡のほか海洋観光や西部の豊かな自然を有すことから観光面でも魅力を有します。
3.訪問概要
(1)訪問日程
令和7(2025)年10月25日(土曜日)から令和7(2025)年10月30日(木曜日)
(2)訪問メンバー
足利市長早川尚秀
足利市議会議長斎藤昌之氏
足利市国際交流協会会長笠原健一氏
足利商工会議所副会頭菊地義典氏
足利5S学校長石井浩道氏
足利鉄工団地協同組合石井大洋氏(ベトナム人受入・現地法人代表)
足利市観光協会理事早川公一郎氏((株)あしかがフラワーリゾート)
足利大学学長末武義崇氏
足利大学事務局長大貫滋匡氏ほか随行職員
(3)訪問先
〇ベカメックスVSIP工業団地(新しいウィンドウが開きます)
ほか
4.視察結果
ザーライ省人民委員会
相手方
ザーライ省人民委員会常任副委員長グエン トゥアン タイン氏
ザーライ省人民評議会副議長フイン トゥイ バン氏
外務局、財務局、工業貿易局、内務局、教育訓練局、文化・スポーツ・観光局、科学技術局、
人民委員会事務局、経済区管理委員会、クイニョン大学、クイニョン工科短期大学の代表者、
旧クイニョン市の5区の代表者
結果
昨年11月に旧クイニョン市と締結した相互協力に関する覚書をザーライ省が承継したことから、互いの都市を紹介し、持続的な発展のため相互に関心の高い分野について意見を交わしました。
ザーライ省人民委員会からは農業分野、サプライチェーンや物流分野、教育・人材分野、文化・観光分野での協力希望が示されました。本市からは、産業、教育、観光・文化、国際交流など様々な協力分野の中で人材交流分野を優先して進めたい意向を表明しました。
ザーライ省からは足利市の表敬訪問と相互協力に関する説明に謝意が示され、今後の両地域の協力に関する基礎となる合意文書として「栃木県足利市とベトナム社会主義共和国ザーライ省人民委員会間相互協力に関する覚書」を締結しました。






その他
クイニョン大学
クイニョン大学指導者との意見交換
相手方
クイニョン大学学長ドアン ドゥック トゥン氏
クイニョン大学副学長ディン アイン トゥアン氏
科学技術・国際協力部、行政・総合部、教育部、自然科学部、
工学・技術部、社会人文科学部、外国語学部の代表者など
結果
本市がザーライ省と人材交流など様々な分野で協力していくことを示し、日本語を学ぶ環境を有すクイニョン大学との連携可能性や足利大学とクイニョン大学と交流具体化等について意見を交わしました。
クイニョン大学からは足利市内への就労や足利大学への留学や単位認定に関する質疑応答のほか、共同研究等について意見交換を行いました。意見交換の後、足利大学とクイニョン大学で大学間交流に向けた協議と施設見学を実施しました。


クイニョン大学社会人文科学部日本学専攻の学生との交流
相手方
社会人文科学部部長、教員2名、学生20名
結果
クイニョン大学の日本学専攻課程は2018年に開設され、日本語教育のほか日本文化等の知識習得をするカリキュラムで、日越の架け橋となる人材を育成しています。在学生の日本就労への関心は高く、学生との直接の意見交換では、通訳業務や介護、自動車などの分野での日本就労やキャリアパスに関し、本市の産業、教育関係の代表者と意見交換を実施いたしました。


その他
ベカメックスVSIPビンディン工業団地視察
事業実施主体との意見交換


工業団地の概況


その他







