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> 絹本著色 十指春風図(田崎草雲筆)(けんぽんちゃくしょく じゅっししゅんぷうず たさきそううんひつ)
絹本著色 十指春風図(田崎草雲筆)(けんぽんちゃくしょく じゅっししゅんぷうず たさきそううんひつ)
縦 120.0 / 横 50.5 明治時代
明治17年早雲70才の時、第二回内国絵画共進会に「十指春風」「一棹揺山」の二図を出品して「蒼古」の銀印を受賞したが、「一棹揺山図」においては疎画の妙技を示し、この「十指春風図」は絢爛目を奪うばかりの色彩を用いて、密画の霊腕を揮ったのである。
原画は明人の画を参考にしたとつたえられるが、豪気天を突くかと思われる気性の草雲が、反面このような優しい風情を美人画で表現していることは、芸域の広さを示す注目すべきもので、草雲の数少ない美人画で格調高い作品である。
なお、第一回内国絵画共進会には「秋山晩暉図」「春山暁靄図」といった、どちらかといえば写実的で和風の作品を出品した草雲が、第二回内国絵画共進会には一転して中国風の題材をとりあげた所には、中央画壇に対して一歩もひけをとらないといった気骨をも感じさせられる。
掲載日 令和5年2月1日
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