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須長家五輪塔

すながけごりんとうの写真

(火輪)
高さ30センチメートル、上幅20センチメートル、下幅59センチメートル
頂部は狭く平坦で、四方の棟は微かに反る。
軒端は狭く緩やかに反る。角の一部を欠いている。

 

(水輪)
高さ40センチメートル、上幅43センチメートル、下幅45センチメートル
最大幅55cmで、樽型を呈する。
正面中央に大きく月輪(がちりん)を彫り、その中に金剛界大日如来坐像を彫刻している。
蓮華座(れんげざ)に結跏趺坐(けっかふざ)し、智拳印(ちけんいん)を結ぶ。
彫りが深く精緻である。

 

(地輪)
高さ45センチメートル、幅61センチメートル、奥行60センチメートルと丈が低く横長である。
四面に大きく格狭間(こうざま)を彫り、さらにその中に大な梵字を彫っている。
梵字は北側が塀のため未確認ではあるが、ア、アー、アン、アクの胎蔵界(たいぞうかい)四仏(しぶつ)種子(しゅじ)である。

 

(基礎部)
高20センチメートル、幅81センチメートル。
三面に肉厚の返花(かえりばな)が彫られており、北側の返花は欠損している可能性がある。

 

  火輪の軒端が薄く緩やかに反り、また、樽型の水輪、地輪の丈が低いなど、足利周辺に多い鎌倉時代の在地系五輪塔の特徴が見て取れ、東国の中世石造物初源期である鎌倉時代中期(13世紀中頃)の年代が考えられる。
  また、水輪に仏像を彫る例は全国的に見ても稀少であり、五輪塔としての造形はもちろん金剛界大日如来の像容も大変優れており、足利地域でも最古級の中世石造物の優品である。
  伝承では、須長家先祖の供養塔として大切に伝えられてきたものとされているが、こうした石造物の存在は、この地が中世足利庄の中で重要な役割を果たしていたことを示しており、歴史資料・石造美術品としても大変貴重な文化財であると言える。


掲載日 令和5年2月1日
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