JavaScriptが無効のため、文字の大きさ・背景色を変更する機能を使用できません。
本文
縦158.0センチメートル 横56.0センチメートル
湖畔に秋の日が暮れようとしている。
枯れ芦の中から立昇る夕もやは、微風に送られて数株のハゼの樹幹をよぎり、山腹へと広がって行く。
群鴉もねぐらへ飛びたっている。
夜のとばりのおりる前の数刻の、残照に映える紅葉の山の美を筆者は印象ぶかくとらえた。それは甘美にして哀愁を含んだ抒情詩の世界である。
四条、土佐、狩野、大和絵などを多様に吸収した草雲の画才を物語る一幅である。68才頃の作。