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本文
縦114.0センチメートル 横41.8センチメートル 明治時代
小堀鞆音(こぼり ともと)は、安蘇郡旗川(現佐野市旗川町)の生まれ。長じて東京美術学校教授となり、日本画の名手となった。
本作は、竹把を肩にした翁と、杉箒を持った姥とが向いあっている「高砂図」(たかさごず)である。
単純な能舞台の一瞬であるが、鞆音は渾身の力を注いで描いている。翁の面の生気ある精密描写はさることながら、指先などの描写も確実であり、足元には大地を踏む力と共に安定感がある。衣の描線も必要最小限にとどめている。