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至誠通天(37) プロフェッショナルになる

印刷用ページを表示する掲載日:2016年10月1日更新

足利市長 和泉 聡

  英国が国民投票でEU離脱を決め、衝撃が世界に走りました。様々な報道や分析の中で、私が注目したのは、「国の行く末を決める大切な決定を、時に過激な結果を導きがちな国民投票という手段にゆだねてよかったのか。むしろ、時の政府が責任をもって判断すべき事柄ではなかったのか」という論評でした。
 

  論評を読んで脳裏に浮かんだのは、医療現場で定着したインフォームドコンセント(説明と同意)でした。医者はあらかじめ患者に手術の危険性などをよく説明し、患者から同意をとっておくことですが、以前、私がある患者さんの『説明と同意』の場に居合わせたときのこと。医師が様々なリスクを説明し、何枚もの書類にサインを求めると、途中で患者さんは「先生、俺、難しいこと、わかんねえからさ。先生を信じて任せるから、頼むよ」と言ったのでした。
 

  この瞬間、私は問題の本質を垣間見た思いがしました。説明と同意は大切だけど、どんなに説明しても医学の素人の患者には理解できない部分が残る。だとすれば、大切なのは、医師が日ごろから患者のために全力で勉強して技術を磨き、「任せるから頼むよ」と言ってもらうにふさわしい、真のプロフェッショナルになっているかどうかではないか。英国政府も国づくりの真のプロならば、国民投票にゆだねるのではなく、自信をもって国の進むべき道を国民に示せばよかったのではないか。
 

  私たちにも同じことが言えます。市民に見えないところでも日ごろから人一倍勉強し情報収集して「おい、市長よ、市役所よ、任せるから頼むぞ」と言ってもらうにふさわしい、まちづくりのプロになっているのか。大切なのはそういう頼りがいのある存在に市役所がなっていくこと、そう強く思っています。