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至誠通天(24) 社会規範と市場規範(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2015年8月1日更新

足利市長 和泉 聡

 信頼、愛、誇りなど金銭に変換できない価値で判断することを『社会規範』といい、市場価値、すなわち金銭で判断することを『市場規範』というと前回紹介しました。まちづくりを進める上で、社会規範が大切なこともお話ししました。


 ただ、もちろん、行政の仕事には、市場規範が大切な場面もあります。例えば、昨年と今年、足利市は小中学校の普通教室にエアコンを設置しました。私たちは、エアコンの種類を決める際に、費用の計算を入念に行いました。すると電気式は初期費用は安いが、長い目で見るとガスを燃料にした方が安いことがわかりました。市民の税で賄われる財源は、一円たりとも無駄にするわけにはいきません。
 

 市長塾でも、例えば、同じボールペンがA店では100円、B店では98円だったら、B店で買う、これは市場規範で判断すべきだよね、と話します。
 

 しかし、もしA店が市内にあって、B店が市外ならどうでしょう。私はたとえ2円高くても、市内の業者から調達すべきだと思っています。地域経済の活性化という側面が大きいからです。市内の業者であれば、「自分のまちをよくしたい」という気持ちがありますから、災害などの非常時には、無理をきいてくれるでしょう。こうした部分はまさに、郷土愛や使命感といった金銭に換算できない価値で『社会規範』に相当する部分です。


 いま国内外の大学などで『希望学』や『幸福学』といった研究が盛んです。共通する考え方のひとつが、お金や地位、名誉よりも、人との結びつきや社会との関わりが、幸福度を高くするというものです。また、周りに幸せな人が多いほど、自分も幸せになるという実証データもあります。いい町になるということは、そこに暮らす人の幸福度があがることですから、まちづくりの大事なヒントがここにも潜んでいると思います。