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至誠通天(22) 見返りは求めない

印刷用ページを表示する掲載日:2015年6月1日更新

足利市長 和泉 聡

  『市長塾』で私が紹介する亡き母の言葉。三つ目は「もし聡が、お父さんやお母さんにいろいろとしてもらった、と思うなら、それをお父さんとお母さんに返さなくていいよ。そのかわり、それと同じことを将来生まれてくる自分の子どもにしてあげなさい」でした。

 これは社会人として、そして子を持つ親として生きてきたなかで、私に大きな影響を与えた言葉でした。新聞社での25年間、私はたくさんの上司や先輩記者から、多くのことを教わりました。落ち込んでいる時には、励ましに飲みに連れて行ってもらい、悩み事があると、真剣なまなざしで聞いてもらったものでした。その恩は先輩に返すのではなく、自分の部下や後輩の記者に返そうと思い、同じように後輩たちを指導し、励ましてきました。
 

 母は8年前、父は7年前に他界しました。もっと親孝行をと思ったのに悔いばかり残りますが、母の教え通り、両親から受けた恩は、自分の子どもに愛情を注ぐことで返そうと思ってきました。きっと天国の母も、それでこそ、喜んでいるのだと思っています。

 中学生たちにも「皆さんのお父さん、お母さんも、何かの見返りを求めて皆さんを育てているのではない。皆さんに自分の人生を力強く歩んでもらいたい、その一心で愛情を注いでいるだけだ」と話します。
 この『見返りを求めない生き方』が、家庭や組織、そして社会やまちを築く上でとても大切だと私は思っています。「借りたお金は1円でも覚えておきなさい。貸したお金は100円でも忘れなさい」という一つ目の言葉を紹介した時にも、『損得で考えない姿勢が大切』だとお話ししました。それに通じるものがあると思っています。