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善徳寺本堂天井板絵

印刷用ページを表示する掲載日:2016年10月6日更新

 

ぜんとくじほんどうてんじょういたえのしゃしん
 
126枚
天井 4・5間X3間
明治時代

善徳寺本堂室中の天井に描かれた板絵です。落款によれば、明治28年(1895)に藤原草丘(そうきゅう)が描いたものです。

草丘は田崎草雲(そううん)を師匠として明治~大正期に活躍した画家で、市内に残された絵画作品としては、明治26年(1893)の制作で大岩毘沙門天本堂に掲額されている雲龍図、本図と同じ明治28年(1895)に製作された大久保町日光鹿島神社の出征馬図などの絵馬があります。

善徳寺本堂天井板絵は、草丘が明治28年(1895)の若い頃に描いた作品で、花木や花鳥、動物など鋭い観察力をもとに克明に描写した絵画であり、観察眼と描写力が若い頃からすでに培われていたことを伺わせます。

126枚に及ぶ種類があり、花鳥画等は、表面を焼き焦がし、洗って木目を浮き出させた桐の板の上に彩色を用いて描いています。

画題は、梅や柳などの樹木から朝顔や桔梗などの草類、オモダカや蓮などの水草、さらには仏手柑などの果物などさまざまな花木と一緒に鳥が描かれている他、犬、猫などの動物、鯉などの魚も描かれています。

また、富士山や月に雲、旭日、波に岩などの風景画が描かれているものもあります。

中でも草木類は、本地域に自生あるいは植樹されていたものを写生したものと考えられ、葉の形、花弁の形や枚数など実物の草木の詳細な観察に基づいて植物図鑑の絵のように正確に描いています。

近世以来の伝統に基づく粉本(ふんぽん:絵のお手本)からとったと思われる画題と、近代以降の写生を重視した画題と共存した絵画です。

本絵画は、藤原草丘の描いた絵画作品が数少ない中で、草丘の画業を具体的に知ることができる資料として、また、明治以降の写実主義の影響を受けた近代絵画による天井絵の一例として貴重なものです。

※通常非公開となっております